【読書記録】385冊目「坂井希久子 たそがれ大食堂」
マルヨシ百貨店にある大食堂が舞台。
大食堂のマネージャーになるため異動してきた瀬戸美由紀。
不本意な異動ながら、なんとか大食堂を盛り立てようと
頑張っているが、なかなかその努力が実らない。
能天気な副社長が新しい新料理長を連れてやってきたことにより
大食堂は不穏な空気に包まれる。
新料理長である前場智子は有名店でシェフを務めていた人物。
自分の料理を押し付ける智子に、周りは反発を覚えるが
的確な味の表現に次第に皆が影響を受け始め・・・
大食堂で愛される料理の数々が、新たな味で生まれ変わり
提供される中で、大食堂の活気が少しずつ取り戻されていく
過程がいい。
オムライス、プリン、クリームソーダ、エビフライ
ナポリタン、お子様ランチ・・・
昔から愛され、食べた人を笑顔にさせる大食堂の顔。
いつまでも、気軽に立ち寄れる大食堂があるといいなと
想わされました。
心が温かくなる作品です